医師の仕事内容
医師には「臨床医」と「研究医」があり、どちらも非常に責任のある役割を持っています。病院で、実際に患者に寄り添いながら診察や治療を行なうのが「臨床医」。様々な病気の解明をするための研究などを専門としている「研究医」。目的や求められる専門性は異なりますが、双方とても重要な存在なのです。
患者に寄り添う「臨床医」
医師の仕事の中には、高度な専門知識を持ち合わせた「臨床医」の仕事があります。そして、その仕事はまず患者の診察から始まります。症状を聞き、心音や体温測定、皮膚診察などから患者が訴える不調の原因を探ります。診察結果により病名が確定すれば、症状に合わせた治療を行なっていきます。例えば、注射や点滴、薬の処方など。患者の症状に合わせた処置とその方法は多岐にわたります。初診で判断できなかった病気については、精密検査をして不調の原因をさらに細かく探っていきます。
手術になれば、より専門的な精密検査機器や十分な設備が必要になります。しかし地方の診療所などでは、対応できる処置が限られます。そのため手術によっては、大学病院などに紹介状を書く場合もあります。病院間での連携も必要になってきます。
また総合病院ともなれば、内科、外科、耳鼻科、眼科、産婦人科、小児科などの各専門の医師が在籍しています。専門分野ごとの医師が協力しあって、患者の治療にあたっていくのです。
医学の進歩に貢献する「研究医」
医師には、重要な役割を担う「研究医」の仕事もあります。医学の進歩により、多くの病状に対して治療が可能になってきました。しかし、まだその範囲はごく一部で、完治するようになるにはまだまだ研究の必要があります。治療法が確立され、初めて助かる命も多いことでしょう。このような病気の解明に、大学や専門機関で研究をしているのが「研究医」なのです。
また「研究医」は、実験をして論文を書き、学会で発表します。そのための情報収集を行ない、将来の医学に成果を残せるように尽力します。学会での発表後は、学術誌へ投稿できるため、世界に向けて成果を発信できます。この研究結果のどれもが、私たちの未来に関わる重要なものになるのです。
医師の勤務実態
医師の人数を施設ごとに比べてみると、病院が最も多く次に診療所になります。介護老人保健施設では、医師の在籍人数としてはより少なくなってきます。また医師の平均年齢は大学病院、病院、診療所と徐々に高くなります。20代から40代の医師の勤務先は主に病院や大学病院で、40代以上は開業することもあり診療所勤務が多くなってくる傾向にあります。